クリスタルですねえ!


広沢瓢右衛門
『浪花のじいちゃん瓢漂記』

SMS SM07−210






晩年に大輪の花を咲かせた、ケレン読み浪曲の第一人者・広沢瓢右衛門の(恐らく)唯一の歌のレコードである。この曲も、左卜全や上田吉二郎のレコードと根本的な発想は同じで、「珍優に妙な歌を歌わせる」レコードである。A面の『浪花のじいちゃん瓢漂記』は、ダウンダウンブキヴギバンドの『港のヨーコヨコハマヨコスカ』のパロディだが、歌詞から何から、瓢右衛門のキャラクターを全く生かしきっていない愚作である。単に瓢右衛門に現代語を喋らせてそのギャップを楽しむことが目的であったとしか思えない。前記の左卜全や上田吉二郎の曲には「曲自体の面白さ」があっただけに非常に残念な出来である。まだ、仲畑貴志作詞のB面「瓢ちゃんの恋愛遊戯」の方が若干面白い。だってあの瓢右衛門師匠が「ニューウエーブ」とか、「クリスタルですねえ!」とか絶叫するんですよ・・・って、さっき批判したことと思いっきり矛盾しますが、まあ、田中康夫も知事になったことだし許してください。(意味不明・・・。)


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