祭りだ祭りだワッショイワッショイ


藤吉佐登・つボイノリオ
『祭りだワッショイチンカッカ』

キング K07S−625






つボイノリオと言えば、馬鹿音盤史上に燦然と光り輝く歌手の一人である。『金太の大冒険』、『怪傑黒頭巾』、『極めつけお万の方』、『吉田松陰物語』などの、日本語の同音異義語の特性を見事に生かしたエロソングの数々は、長く語り継がれることであろう。しかもそれらをまとめた、ERECから出たアルバムのタイトルが、『ジョーズーヘタ』・・・この脱力感、たまりません。
現在でも名古屋でラジオのパーソナリティーとして活躍中のつボイは、3年前に、上記の過去の曲などをカバーしたアルバム、『あっ超ー!』を出したが、如何せんつボイの歌唱における声量の衰えは隠しがたく、傑作とは言いがたいアルバムになってしまっていたのは残念である。
さて、今回紹介するこのシングルは、84年に発売された賑やかなお祭りソングである。作曲は何と、あの『月光仮面』で余りにも有名な小川寛興。コミックソングマニアなら、トニー谷の『オッパポロポン節』、『こんなに変る物かしら』の作曲者としてもお馴染みである。(小川さんの普通の名曲も沢山有るのに、何でこの2曲を選んでしまったんだろう・・・)つボイの歌もノリが良く、藤の歌唱と共に快調である。しかし判らないのは,サビで二人が、『あなたもわたしもヘイ、マンボ! あいつもこいつもヘイ、マンボ!』と歌うのだが,曲自体は全くマンボ調では無い事である。加えてジャケットのつボイの物凄いメイク。何ら『まつり』と関係ない。しかもジャケのメイク協力のところに、『遠藤ミチロウ,加藤正文(スターリン)』と書いてあるのが脱力感をいや増してくれる。まさか遠藤ミチロウがこのようなレコードに関わっているとは、ファンも普通気が付かないだろう。ひょっとして遠藤さん、つボイファンなのかな?
ちなみに片面は、藤と桂小文枝(現:文枝)のデュエット曲、『別れ上手になりました』。こちらも小川寛興の作曲だが、まったく普通の演歌です。ジャケットの色眼鏡をかけた小文枝師匠が、普段の高座での印象とかけ離れていて何だか可笑しいです・・・しかし最近の文枝師匠、ますますエリツィン元ロシア大統領に似つつありますね・・・


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